「究極の血抜き」とは、エラより挿入したホースを用いて行う血抜きテクニックの一つです。血抜きは、魚を長期熟成せいするための要です。なぜなら、長期熟成の敵である血を抜き切ることはとても難しいからです。完全に血を抜くためには、心臓付近くの動脈から送水し、心臓付近の静脈から脱血する必要があります。また、全ての血を抜き切るためには血管内の水圧を高く保ち末梢の細い動脈にも送水する必要があります。そのためには、他の動静脈をできるだけ損傷しないことも求められます。なぜなら、損傷した動静脈から水圧が逃げてしますからです。しかし、とても難しい技術なので、実際に行うためには特殊な環境や道具が必要となります。「究極の血抜き」とは、そんな困難な血抜きを極限まで容易かつ確実に行う事ができるテクニックです。動脈へ順行性に水圧をかけることによって、魚体全体の動脈へ効率よく送水することが可能になると考えられます。特筆すべきは、ビニールホース1本で行う事ができる簡便さです。