近縁のブリとよく似ていますが、ブリよりも細長い体型で、泳ぐスピードも早いヒラマサ。体長は1m以上にまで成長する大型のフィッシュイーターで、オーストラリアやニュージーランド、韓国などにも生息します。日本では東北以南の日本海側、関東以南の太平洋側、九州北部に特に多く生息します。また、最近は北海道の一部でも釣れるようになっています。上唇の端の丸みぐあい、胸ビレの位置関係、黄色いストライプの走る位置など、ブリとの外見上の相違点はいくつかありますが、釣り人の間では、ヒラマサはブリよりも賢く、さらに引きも強くて手ごわいという評価が一般的です。サイズを問わなければ周年ねらえますが、大型の実績が多いのは春と晩秋から初冬の2シーズンになります。釣りは疑似餌を使うルアー釣り、生きたアジやイワシを使う泳がせ釣り、さらにオキアミを使うカゴ釣りなどがあり、いずれも人気ですが、近年特にファンが増えているのはルアー釣りで、岸釣り(磯釣り)と沖釣りの両方にファンがいます。ルアー釣りには大きく2つのスタイルがあります。ひとつは「プラッキング」で、こちらは比較的に浅い釣り場でやることが多いです。水面近くを探れるように、木製や樹脂製のダイビングペンシルやポッパーなどの「プラグ」と呼ぶタイプのルアーを使い、なるべく遠くまで投げたあと、左右ジグザグに動かしたり、水面を撹拌して泡の中にルアーを紛れさせたりして、逃げ惑う小魚を演出して下層にいるヒラマサを誘い出します。もう一つは「ジギング」。こちら深い釣り場でやることが多いです。鉛や鉄などの金属製の「メタルジグ」を海底まで沈めたのち、巻き上げながら海中で左右に跳ね上げ、ある程度の層まで探ったら、再び海底に落としてまた跳ね上げながら釣っていきます。大型のヒラマサがよりキャッチしやすいのはプラッキングと言われています。理由はハリ掛かりしたあとのヒラマサの動きにあります。プラグでもメタルジグでも、ルアーに掛かったヒラマサは、海底の岩などの障害物を目がけて疾走し、糸を障害物にこすりつけるようにして逃げようとします。そのため、やり取りのスタート地点が海底に近いほど不利なのです。その点、プラッキングは水面から始まるので釣り人が有利になりやすいです。とはいえ、どちらの釣り方も時速50kmに迫るといわれるヒラマサを掛けたあとは非常にスリリングです。一度をの引きを体験した釣り人は、圧倒的はパワーに魅了されることでしょう。